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【 メニエール病 】と漢方薬による治療

一二三堂薬局とメニエール病


当薬局では長年、メニエール病に代表されるさまざまなめまいに有効な漢方薬の研究を重ねてまいりました。その主な理由としてはメニエール病に対して有効な西洋医学的治療法が充分に確立されていないことが挙げられます。


その一方で下記でご紹介するような漢方薬はメニエール病に対してとても有効であることを経験的にも実績面からも実感しているからです。このページではメニエール病に対する漢方治療について解説させて頂きます。当薬局の情報につきましてはページ上段のアイコン、または下記のリンクをご覧ください。


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メニエール病とは


メニエール病は自分や周りがグルグルと回転しているように感じるめまいを繰り返し起こす病気です。メニエール病は回転性のめまい症状の他に耳鳴り、難聴、耳閉感(耳が詰まった感覚)を引き起こします。


「メニエール病」という病名は19世紀中期にフランス人医師のメニエールが内耳の問題によってめまいが起こると初めて報告したことに起因します。しばしばメニエール氏病、メニエル病とも呼ばれますがメニエール病という呼び名が最も一般的です。


メニエール病は男性よりも女性に多い病気といわれています。発症年齢に関しては30~40代にピークがありますが幅広い年代で発症します。性差や発症年齢の他に、やせ気味の方や几帳面な方が発症しやすいことも知られています。その一方でなぜメニエール病が発症してしまうのか詳しいは原因は分かっておらず、知名度が高い病気でありながら謎の多い病気でもあります。


メニエール病の原因


メニエール病の症状は耳の穴の奥にある三半規管(さんはんきかん)や蝸牛(かぎゅう)という部分に問題が生じることで起こります。そもそも耳は外側から内側に向かって外耳、中耳、そして内耳という区画に分割されます。外耳と中耳の間には鼓膜があり、三半規管と蝸牛は中耳のさらに奥にある内耳に位置しています。三半規管は三つの「輪」を集めたような、蝸牛はカタツムリの殻のような特徴的な形をした器官です。


三半規管の中はリンパ液という液体で満たされており、身体が動くとリンパ液も動く仕組みになっています。このリンパ液の動きをセンサーの役割を担っている感覚細胞が感知して情報を脳に送ります。こうして三半規管は主に回転運動を感知しています。


蝸牛の内部もリンパ液で満たされおり、音(つまり振動)を鼓膜や耳小骨を経由して蝸牛神経が感知します。その情報は脳に送られて音が認識されます。つまり蝸牛は聴覚を司っている器官といえます。


メニエール病はこれら三半規管や蝸牛を満たしているリンパ液の産生と吸収のバランスが崩壊し、リンパ液が過剰になることで起こるとされています。回転運動を感知している三半規管と聴覚を支配している蝸牛が充分に機能しなくなってしまうことで、メニエール病特有の回転性のめまいや難聴などが引き起こされると考えられています。


このようにメニエール病の「症状が起こる原因」は上記のようにほぼ解明されています。しかし、なぜリンパ液が過剰になってしまうのかという「メニエール病が起こる原因」に関してはまだ詳しくわかってはいません。


メニエール病の症状


メニエール病は三つの特徴的な症状を持っています。それは回転性のめまい、耳鳴り、難聴です。これらの症状はメニエール病の重要な診断基準でもあります。メニエール病の主症状であるめまい発作は数十分から数時間、ときには一日中続いてしまうこともあります。


その他にも吐気、耳閉感、聞いた音が響くといった症状も現れることがあります。メニエール病に限らずこういった辛いめまいの症状が中長期的に続いてしまうと心身ともに疲弊してしまい、気力の低下や抑うつ状態が併発することもあります。こうなってくると外出の機会などが失われてしまい、著しくQOL(生活の質)が低下してしまうこともありますので「たかがめまい」と侮ることはできません。


メニエール病を発症しやすいタイプ


メニエール病を引き起こす明確な原因は未だに解明されていません。その一方でメニエール病を発症しやすい方の特徴はいくつか知られています。まずは性格的に几帳面で真面目な方がメニエール病を発症しやすいというデータがあります。言い方を変えるとやや神経質な気質を持つ方ともいえます。


環境面では過労や寝不足によって慢性的に疲労やストレスが溜まっている方です。上記で挙げた真面目な方は仕事にも家事にも手を抜かず頑張りがちです。それが結果的に過度な疲労に繋がっている可能性もあるでしょう。


さらに体格的にやせ気味の方がよりメニエール病を発症しやすいといわれています。この体格とメニエール病の関係は漢方医学的な考えと非常に関連していますので、詳しくは下記をご参照ください。


メニエール病の西洋医学的治療法


西洋医学的なめまいの治療は主に薬物療法が用いられます。しかし、症状が薬物療法で治まらない場合やメニエール病以外の持病のために充分な薬物治療が行えない場合は手術(過剰なリンパ液を抜いたり、脳へ情報を送る前庭神経の切断)などが行われます。


具体的な薬物療法としては内耳の血流を改善するベタヒスチンメシル酸塩(主な商品名:メリスロン)や脳におけるめまいを感知する部分の機能を抑制するジフェンヒドラミン(主な商品名:トラベルミン)などが用いられます。メニエール病はある意味では「内耳で起こっている浮腫」と考えられるので、利尿によってこれを改善するためにイソソルビド(主な商品名:イソバイト)などが用いられます。他にも症状によってはステロイド剤、ビタミン剤、制吐薬、抗不安薬なども使用されます。


メニエール病の漢方医学的解釈


漢方医学的な視点からメニエール病を見てみると、そこには水湿(すいしつ)が深く関与していると考えられます。水湿とは身体にとって不可欠な水分である津液(しんえき)が流動性を失い、病的物質化したものを指します。水湿のイメージとしては「身体内に溜まって悪さをする、水っぽいヘドロのようなもの」と想像して頂ければ思います。


この水湿は暴飲暴食やもともとの体質的な脾胃(消化器)の不調、尿量減少といった水分代謝能力の低下、水分摂取過多、湿度の上昇、精神的ストレスによる気の巡りの悪化などが原因で身体内に生じます。水湿が頭部に生じると身体機能を維持するために必要な気や血(けつ)の流れをせき止めてしまいます。


頭部における気血の巡りが悪くなるとめまい、ふらつき、頭痛、頭重感、難聴、耳鳴り、耳閉感、集中力の低下などが起こります。
脾胃の調子が普段から悪い方はしばしばやせ型の方が多く、この点は上記で示したメニエール病を発症しやすいタイプとも一致しています。


水湿によって起こるのは頭部の症状だけではなく全身症状も現れます。具体的には倦怠感、疲労感、むくみ、食欲不振、軟便や下痢などが生じます。
さらにメニエール病は水湿以外にも精神的ストレスによって気の流れが乱れてしまう場合や、気や血の不足によって起こる場合もあります。したがって、しっかりと症状から漢方医学的な原因を判断する必要があります。

(よりくわしい漢方用語などの説明は漢方名処方解説をご参照ください)


漢方薬を用いたメニエール病の治療


上記で紹介した水湿がメニエール病の原因と考えられる場合、水湿を除去することが根本治療に繋がります。したがって、水湿を取り除く働きを持っている利水薬と呼ばれる白朮、蒼朮、沢瀉、猪苓、茯苓や化痰薬と呼ばれる半夏、陳皮、橘皮、竹茹、生姜などの生薬を含んだ漢方薬がメニエール病治療の中心となります。


水湿を取り除くだけではなく、水湿が生まれないようにすることも極めて重要です。水湿は多くの場合、消化器の不具合で起こりやすいのでそれらを立て直す人参、黄耆、大棗、白朮、甘草などの補気薬が必要になってきます。体質的に食が細くてなかなか太れない方はまず補気薬を多く含んだ漢方薬が用いられます。


さらに今起こっているめまいやふらつきなどを抑えるための配慮も治療を継続するためには必要です。めまい自体を鎮める生薬としては天麻、釣藤鈎、菊花などの熄風薬(そくふうやく)が使用されます。精神的なストレスによって症状が悪化する場合は気の流れを円滑にする理気薬である柴胡、枳実、陳皮、半夏、厚朴、香附子なども必要になってきます。


これら以外にも主訴や体質が微妙に異なる場合はそれに合わせて漢方薬を対応させる必要があります。したがって、実際に調合する漢方薬の内容もさまざまに変化してゆきますので、一般の方が自分に合った漢方薬を独力で選ぶのは非常に困難といえるでしょう。


生活面での注意点と改善案


漢方医学的にメニエール病に対する生活面での改善点を考えると、めまいを起こす原因である水湿を生まないような生活を心がけるべきです。まず、胃腸に負担をかけてしまう水分の過剰な摂取は控えるべきです。基本的には季節にもよりますが1日1.5L程度の水分摂取が適切でしょう。


近年、メニエール病にはこの適切な水分補給が症状緩和に有効とされています。ここで重要なのは「適切」という点であり、飲んだら飲んだ分だけ症状が回復するわけではありません。冷えたサラダ、フルーツ、ヨーグルトも「冷えた水分の塊」のような存在なので多く摂り過ぎないようにするべきです。常温になるまで置いておくか温かいものと一緒に摂るとよいでしょう。


さらに水湿は環境にも影響を受けます。具体的には夏場の高温多湿の時期は身体内の水湿と環境中の湿が呼応して、症状が悪化しがちです。梅雨の時期にめまい、ふらつき、身体の重だるさが悪化するのはこのためです。暑い日が続くと水分も摂り過ぎになりがちですので水湿によるめまいが最も起こりやすいといえるでしょう。梅雨を中心とした夏場は他の時期以上に暴飲暴食で胃腸を弱めたり水分の摂り過ぎにならないように気を付けてください。


ストレスの溜め過ぎも禁物です。しかし「ストレスを溜めないでください」という指示ほど難しいものはありません。そこでそこそこ疲労のとれる睡眠時間と週に1日の休日だけは確保できるように頑張って頂ければと思います。


メニエール病の改善例


患者は30代前半の女性・教員。大学院生の頃から「世界が回転するような」「足元がフワフワするような」めまいに悩まされていました。めまいは夕方ごろに決まって起こり、耳には飛行機に乗った時のように圧迫されるような不快感も感じていました。めまいの症状などから貧血なのかと自己判断して鉄剤などを服用しても改善されず、病院を受診してはじめてメニエール病と診断されました。


処方された薬を服用すればある程度は改善しましたが、梅雨の時期になると薬も効かず症状は悪化。夕方のめまいに加えて「ピーーッ」という耳鳴りと吐気も現れるようになりました。薬を服用しても何度も発作を起こすことに不安を感じ、当薬局にご来局。


漢方医学的にめまいには多くの原因が考えますが、この方は足のむくみが顕著な点とメニエール病の発作が湿度の高い梅雨時に集中している点から津液の停滞である水湿によるめまいと考えました。そこで茯苓、沢瀉、白朮、蒼朮といった水湿を除き津液の巡りを改善する生薬を多く含む漢方薬を服用して頂きました。その他にやや疲労が重なっている印象が強かったので、充分な睡眠時間の確保と脾胃を傷つけないために過剰な水分の摂り過ぎに気をつけるようお願いしました。


漢方薬を服用し始めて約2ヵ月が経過する頃には頻繁に起こっていた夕方の回転性のめまいと耳の詰まり感は起こらなくなっていました。しかしながら、フワフワするような不快な症状はまだ残っていました。さらにトイレの回数が多くなって困るとおっしゃられましたが、余分な水分が出ている良い傾向と考え同じ漢方薬を服用して頂くように説得しました。


そしてさらに4ヵ月くらいが経った頃にはめまいや耳鳴りの症状も消失し、トイレの回数も元通りになっていました。これは時間をかけて水湿が除去されたためと推測されます。下肢のむくみや吐気も改善して、より快適に過ごせるようなったとのこと。現在は毎年、繁忙期の春頃や梅雨の時期になると同じ漢方薬を服用するためにご来局されています。


おわりに


メニエール病は症状の重い方の場合、グルグルと回転するようなめまいと吐気に一日中悩まされてしまうこともあります。「ここでめまい発作が起こったらどうしよう…」という不安から外出や旅行などができなくなってしまい積極性が徐々に失われて、家に閉じこもりがちになるケースもしばしばです。そうなってしまうとストレスも溜まる一方になり、悪循環に陥ってしまいます。


漢方薬は西洋薬では対応しきれないより根本的な原因に対応することができるものです。当薬局では西洋薬を服用してもなかなか改善が見られなかった方がしばしばご来局されます。そして漢方薬を服用し始めてから、症状が好転する方がとても多くいらっしゃることから、メニエール病に代表されるめまい全般と漢方薬は「相性」が良いと実感しています。
是非一度、メニエール病にお悩みの方は当薬局にご来局くださいませ。

【 副鼻腔炎(蓄膿症) 】と漢方薬による治療

副鼻腔炎(蓄膿症)とは


頭には鼻から吸った空気が通る鼻腔と、その鼻腔とつながっている副鼻腔という空洞が存在します。副鼻腔炎は細菌などにより副鼻腔に炎症が起こり、膿がたまる病気です。主な症状としては膿をともなう鼻汁、鼻閉、嗅覚の低下、頭痛や眼痛などが挙げられます。副鼻腔炎はしばしば蓄膿症とも呼ばれます。


副鼻腔炎(蓄膿症)の原因


副鼻腔炎はかぜに代表される細菌感染がきっかけとなって起こることが多いです。特に睡眠不足や過労などによって体力が低下していると、細菌に対しての抵抗力も低下してしまいます。それは結果的にかぜから副鼻腔炎を誘発し、さらに回復を遅らせてしまいます。


炎症によって生じる膿が少量なら鼻腔と副鼻腔をつなぐ穴(自然口や自然孔と表記されます)から排出されます。しかし、炎症が続くことによってこの穴がふさがってしまうと膿は排出されずにどんどん溜まってしまいます。この状態が慢性副鼻腔炎と呼ばれる状態です。したがって、副鼻腔炎(主に慢性副鼻腔炎)は細菌感染、抵抗力の低下、自然口の閉塞が原因となって起こります。


副鼻腔炎(蓄膿症)の症状


副鼻腔炎の主な症状は化膿により粘稠性が増した鼻汁、鼻閉、嗅覚低下などが代表的です。副鼻腔内での炎症が強くなると頬、眼、額などに痛み、重だるさや不快感も起こります。くわえて、鼻閉によって口呼吸が多くなってしまうために喉の乾燥、喉の痛み、咳、声がれ、いびき、後鼻漏、かぜの引きやすさもみられるようになります。


副鼻腔の炎症が続くと粘膜が肥大化してポリープが形成されることがあります。この鼻ポリープはまるでキノコのように見えるので鼻茸(はなたけ)と呼ばれます。鼻茸が大きく成長してしまうと自然口をふさぎ、副鼻腔にたまった膿が排出できなくなってしまいます。結果的に副鼻腔炎の長期化、嗅覚の低下、頭痛などが現れやすくなります。


上記のような症状が慢性的に起こることで、集中力の低下、不眠、気分の沈みやイライラ感といった二次的な症状も大きな問題となります。したがって、副鼻腔炎は耳鼻科領域のみの病気と過小評価はできません。


副鼻腔炎(蓄膿症)の西洋医学的治療法


副鼻腔炎に対する西洋医学的な治療法は抗生物質の使用が中心となります。特にマクロライド系と呼ばれるグループの抗生物質がしばしばもちいられます。抗生物質の治療がうまくゆかない場合は手術によって膿を排出・洗浄、鼻茸によって自然口の閉塞がある場合は鼻茸の除去が行われます。


副鼻腔炎(蓄膿症)の漢方医学的解釈


漢方の視点から副鼻腔炎を考えると、急性副鼻腔炎は外邪の一種である風熱邪が肺に侵入した結果と捉えられます。慢性副鼻腔炎に対しては飲食の乱れや精神的なストレスなどによって生じる身体内の熱がしばしば原因となります。


それ以外にも睡眠不足や過労によって気が不足すると、外邪を追い払うはたらきを担っている衛気(えき)も不足してしまいます。そうすると、風熱邪に代表される外邪が簡単に身体に取り付き、副鼻腔炎やそのきっかけとなるかぜを引き起こしてしまいます。

(よりくわしい漢方用語などの説明は漢方名処方解説をご参照ください)


漢方薬を用いた副鼻腔炎(蓄膿症)の治療


副鼻腔炎の治療には炎症を鎮める清熱薬を中心に、鼻の通りを改善する生薬や外邪(主に風熱邪)を発散させる生薬を含んだ漢方薬がもちいられます。 その他にも症状が慢性化したことによって気血が不足している場合はそれらを補う漢方薬も検討されます。


粘り気の強い膿をともなった鼻汁、炎症による頬や頭に痛みが目立つ場合は熱を抑える黄連、黄芩、黄柏、山梔子、石膏などの清熱薬が治療の中心となります。これらにくわえて鼻の通りをよくする辛夷や川芎は頻繁に副鼻腔炎による鼻閉に使用されます。


副鼻腔炎の発症直後、鼻汁や鼻閉、喉の痛み、粘稠性の痰、発熱がみられる場合は清熱薬にくわえて薄荷、連翹、金銀花などの風熱邪を除く生薬を配合した漢方薬が使われます。このように副鼻腔炎にもちいられる漢方薬は患っている具体的な症状、発症からどれほど経過しているかなどによって異なってきます。


生活面での注意点と改善案


副鼻腔炎はかぜをきっかけとして発症することが多いです。したがって、風邪の予防=副鼻腔炎の予防ともいえます。抵抗力を下げてしまう過労や睡眠不足、声の出し過ぎ、部屋の乾燥などには注意が必要です。鼻汁をすする癖がある方は意識して鼻をかむことも大切です。


副鼻腔炎(蓄膿症)の改善例


患者は60代前半の男性・会社員。40代の頃に副鼻腔炎を発症し、当時は抗生物質の服用でうまく治療ができました。しかし、仕事がとても忙しくなった50代後半に再び発症。耳鼻科で治療を受けましたが今回は症状が改善されませんでした。病院からは手術も勧められましたが、定年退職した後に検討するとこたえて保留に。手術の前にできることをと思い当薬局へご来局。


くわしくお話を伺うと、その声もかなりの鼻声になっていました。具体的なご症状は量の多い鼻汁、鼻閉、そして頭痛と肩凝りもつらいとのこと。この方には鼻の通りをよくする辛夷、頭痛を改善する川芎、首や肩の凝りをやわらげる葛根を含んだ漢方薬を服用して頂きました。


漢方薬を服用して4ヵ月が経つ頃には鼻閉が大きく改善され、声もかなり聞き取りやすくなっていました。午後になると仕事に集中ができないくらいの頭痛や凝りも、気になるのは月に数回程度にまでなっていました。一方でネバネバした鼻汁、鼻の奥の熱感、鼻閉による口の乾燥感が気になりだしたとのこと。


そこで、炎症を鎮める力に優れた黄芩や石膏、身体に潤いを与える麦門冬を含む漢方薬に変更しました。新しい漢方薬にして2ヵ月が経つと鼻汁も減り、ヒリヒリするような熱感や口の乾燥感もみられなくなりました。その後も同じ漢方薬を服用して安定した状態は続き、数年後に定年退職を迎えられました。その段階で耳鼻科を受診されましたが「特に手術の必要もない」といわれ、現在も漢方薬を服用して頂いています。


おわりに


副鼻腔炎はつらい鼻汁や鼻閉だけではなく、口呼吸になってしまうことでかぜを引きやすくなる、集中力の低下、睡眠の質が悪くなるなど、単純に「鼻のトラブル」といえないものです。その為に困っていらっしゃる方の多い病気でもあります。


漢方薬による副鼻腔炎の治療は鼻の炎症を抑えるだけではなく、個人の症状の現れ方や体質に沿った治療が可能です。慢性的な副鼻腔炎にお困りの方は是非一度、ご来局ください。

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