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【 免疫力(抵抗力)の低下 】と漢方薬による治療

免疫力や抵抗力とは


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一二三堂薬局では免疫力や抵抗力を向上させる漢方薬の研究を重ねています


しばしばテレビやネットなどのメディアを通じて「免疫力を高める食物やサプリメント」「抵抗力を上げる生活様式」といったフレーズを見かけます。


日本においては受験シーズンが感染症の流行する時期と重なっているため、本ホームページにも「受験対策 免疫力アップ」「受験対策 漢方薬」「受験対策 サプリメント」といった(切実な…)検索キーワードでアクセスされる方は少なくありません。


当薬局には以前から秋の終わり頃になると「免疫力を上げる漢方薬が欲しい」「抵抗力を落とさないようにする漢方薬を調合して欲しい」といったご相談が寄せられていました。しかし、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)後は一年を通じてその要望が急激に高まった印象があります。


しかしながら、この「免疫力」や「抵抗力」という言葉に対しては意外にも明確な定義はありません。一方で「免疫」という言葉に対して広辞苑には「生体が疾病、特に感染症に対して抵抗力を獲得する現象」と説明されています。


したがって、多くの場合において免疫力や抵抗力は「ウイルスや細菌といった感染症にかからないための力」と解釈されるのではないでしょうか。本ページでは免疫力や抵抗力をそのように捉え、漢方薬とのつながりを中心に解説していきます。


免疫力(抵抗力)低下の原因


免疫力や抵抗力の低下を引き起こす原因は多岐にわたります。西洋医学的には運動不足、睡眠不足、食生活の乱れや偏り、身体の冷え、さらには憂うつ感や不安感といった精神的な要素も免疫力の低下に結びつくと考えられています。


改めて挙げてみると、どれもが現代社会において問題となっている生活様式ばかりです。座りっぱなしでディスプレイを凝視し続けるような業務に長時間携わっていると、必然的に多くが当てはまりそうですね。


実際に当薬局にも「社会人になってから毎年、風邪にかかってしまい困っている…」「事務職に転職後、一年で2回もインフルエンザになってしまった。どうにかして欲しい…」といった相談がしばしばあります。サービス業が発達した現代社会は「免疫力(抵抗力)低下社会」ともいえるかもしれません。



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免疫力(抵抗力)低下の漢方医学的解釈


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衛気は病原体や厳しい環境変化から身を守っている


漢方医学の観点から免疫力(抵抗力)を捉える前に、そもそもなぜ人間は病気になってしまうのかを簡単に解説します。漢方医学において病気の原因はシンプルに外因(がいいん)と内因(ないいん)などによると考えます。


外因とはその名前の通り、身体の「外」から襲ってくる病気をもたらす存在を指します。具体的にはウイルスや細菌といった病原体、厳しい暑さや寒さ、大気汚染といった環境要因などを指します。内因には先天的な体質やストレスによる身体の変調などが含まれます。


上記で挙げた外因に対抗するものが「気によるバリア機能」です。やや専門的になりますが、防衛を担当する気を衛気(えき)と呼びます。つまり、衛気は西洋医学における免疫と似た概念といえます。


したがって、衛気を強化すること、つまり気のバリアを万全にすることが免疫力(抵抗力)の向上に結び付くと漢方では考えます。

(よりくわしい漢方用語などの説明は漢方名処方解説をご参照ください)


漢方薬を用いた免疫力(抵抗力)低下の治療


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気を補うには人参や黄耆などの補気薬を用いる


漢方薬によって免疫力(抵抗力)の底上げを図る場合、気をしっかりと補うことが大切です。気が充実すれば衛気のはたらきも高まり、外敵を寄せ付けにくくなります。


毎年、風邪やインフルエンザにかかってしまう方、さらには日頃から疲れやすい、食が細い、胃腸を壊しやすい、息切れしやすい、身体が冷えやすいといった方は、気が不足している状態である気虚(ききょ)に陥っている可能性が高いです。


気は主に飲食物の摂取を通して生まれるものですので、気虚の方は体質的に消化器のはたらきが弱い方が多い傾向にあります。さらに漢方の理論では消化器の機能低下は呼吸器のトラブルにつながると考えます。


胃腸虚弱だけではなく、慢性的な気管支ぜんそくや咳喘息といった呼吸器系疾患をお持ちの方はその背景に気虚が絡んでいる可能性がありますので注意が必要です。


気虚の方には気を補う人参、黄耆、白朮、大棗、甘草といった補気薬(ほきやく)から構成される漢方薬を用います。冷えが顕著な場合は身体を温める附子、桂皮、乾姜、呉茱萸、細辛などの散寒薬(さんかんやく)を併用することも大切です。


他にも顔色が青白い、貧血体質でめまいや立ちくらみが多い、少しの運動で息切れや動悸が起こるなどの症状がある場合は血の不足である血虚(けっきょ)の状態と考えられます。


血と気は相互に依存し合う関係があるので血虚を放置すると次第に気虚も併発してしまいます。したがって、血虚が疑われる場合には血を補う補血薬(ほけつやく)も必要になります。


代表的な補血薬には地黄、芍薬、当帰、酸棗仁、竜眼肉などが挙げられます。女性の方は生理があるので男性よりも血が不足しがちですので、意識的に補気と補血を行う必要があります。



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生活面での注意点と改善案


免疫力(抵抗力)を高めるには2つのアプローチが有効です。ひとつは気をしっかりと補うこと、そしてもうひとつは気の消耗を避けることです。


気は食事を摂ることで得られますので、朝食や昼食を抜くことは好ましくありません。時間が無ければおにぎりひとつでも良いので「全く無し」にはしないようにしましょう。冷え性や貧血傾向もある方は肉、魚、卵といったタンパク質を欠かさないことも大切です。


睡眠不足も気虚に陥りやすくなる代表的な原因です。個人差があり絶対的な基準はありますが、6時間以上の睡眠時間が望ましいです。不眠気味の方の場合は緑茶、紅茶、コーヒー、エナジードリンク(栄養ドリンク)といったカフェインを含むものを摂るのは避けましょう。


入眠直前までスマホなどのディスプレイを凝視すると頭が冴えてしまうので、出来れば夕食後は控えめにするのが良いでしょう。食事と睡眠を充実させればより漢方薬の効果がグンと発揮しやすくなります。


他には座りっぱなしの長時間労働は気の巡りも悪くなってしまいます。こまめなストレッチやウォーキング、積極的な階段の使用などを挟むのが良いでしょう。休日も自宅にこもりっぱなしでは気が停滞するので、一度は必ず外出して日を浴びるように心がけてください。


免疫力(抵抗力)低下の改善例


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慢性的な気の不足は様々な病気のかかりやすさにつながる


患者は50代の生花店勤務の女性。1年間に4~6回ほど風邪やインフルエンザにかかってしまうことに悩んでいました。くわえて、風邪の後は必ず長引く咳も残ってしまい、1~2ヵ月もその症状が続くことがある。冬になるとしばしば細菌性の膀胱炎にもなってしまうとのこと。


ご来局時に詳しくお話を伺うと、予防のために市販されている葛根湯(かっこんとう)や麻黄湯(まおうとう)を断続的に服用されていました。


抵抗力の低下以外のご症状としては食が細くあまり太れない、軟便や便秘といった便通トラブル、慢性的な疲労感や気力の低下、手足の冷えなどがありました。この方は典型的な気虚による衛気の弱体化と考えられました。


この方には人参や黄耆などで構成された気を補う漢方薬を服用して頂きました。日常生活の面については疲労を持ち越さないために出来るだけ多く睡眠をとって頂くようお伝えしました。葛根湯や麻黄湯については予防効果は期待できないので中止をお願いしました。


4ヵ月程服用して頂きましたが、その間はひどい風邪を引くことなく過ごされていました。季節は秋になり、少しでも喉が痛くなる時は炎症を鎮める作用がある連翹、荆芥、石膏などから構成される漢方薬を服用して頂きました。


この漢方薬を早い段階で服用すれば長引く咳になることなく2~3日で咽頭痛も改善されていました。その後も漢方薬を継続して頂き、インフルエンザや膀胱炎になることなく冬を越されました。


ご本人曰く「いつも大みそかは風邪を引いての年越しだったけれど、今年は無事だった」「電車内で咳をして白い目で見られることが無くなった」とのこと。この方には継続して初回に調合した漢方薬を続けて頂いています。


おわりに


抵抗力が低下して風邪やインフルエンザにかかってしまうと数日間は仕事や学業に影響が出てしまいます。それがもし年間に何回もあるようだと「たかが風邪」とは言っていられません。


上記以外にも体力が低下すると活性化して口唇などに水疱を形成する単純ヘルペスウイルス、「とびひ」とも呼ばれる黄色ブドウ球菌や溶血性連鎖球菌などがしばしば問題となります。さらに新型コロナの登場により免疫力の低下はより切迫したトピックとなりました。


抵抗力(免疫力)を向上させるためには睡眠時間の確保や軽運動などが不可欠です。これらに気を遣ってもまだ不安が残る方は漢方薬を試してみるのはいかがでしょうか。その際に当薬局をご利用いただければ幸いです。

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