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【 呑気症(空気嚥下症) 】の原因と改善 ~漢方薬による治療ガイド

呑気症とは?…飲み込んだ空気がゲップや胃腸の張りなどを起こす

呑気症(どんきしょう)とは呼吸時などに意図せず多くの空気を飲み込んでしまい、ゲップや腹部の張り、吐き気といった不快感が生じるものです。呑気症はしばしば空気嚥下症(くうきえんげしょう)とも呼ばれます。

人間は普段から食事の際、食べ物や飲み物と一緒に空気も飲み込んでいます。一方で呑気症の場合はその量が多かったり、食事以外の時にも無意識に空気の飲み込みが行われてしまいゲップなどの症状が起こります。

呑気症では空気を吸い込んだことによる上記のような症状以外にも、歯のかみしめによる顎(あご)の痛み、首や肩の凝り感といった症状が起こることもあります。これらの症状を「噛みしめ呑気症候群」と呼びます。

呑気症(空気嚥下症候群)の原因とは?…主に精神的なストレスが背景に

呑気症の原因はまだはっきりとわかっていませんが、精神的なストレスとの関連が強いと考えられています。特に緊張感や不安感が大きい時などに生じやすいとされています。

実際に一二三堂薬局へご相談に来られる方も、プレッシャーのかかる発表の前や、慣れない人との会食時などに呑気症が悪化してしまうケースが多いです。

呑気症(空気嚥下症)の症状…消化器症状の他に顎への負担や唾液過多にも

呑気症による主な消化器症状

呑気症は空気の飲み込みによって、下記のような多くの胃腸症状を引き起こします。

  • ゲップの増加
  • ガス(おなら)の増加
  • 吐き気や嘔吐
  • 喉のつかえ感・不快感(ヒステリー球)
  • 胃腸の痛み
  • 胃腸の膨満感

呑気症で最もよく見られるゲップやガスは出すことで一時的に症状が緩和されることもあります。一方で呼吸は常に行われているので、すぐに不快症状が再発しやすいです。

呑気症は食事中や食後に悪化しやすい

過剰な空気の飲み込みは呼吸時の他に、食事の際にも起こりやすいです。食べ物と一緒に空気を飲み込むことで、食事中や食後に症状が悪化してしまう傾向があります。

会食中はいつも以上にゲップやガスを出してはいけないという意識が高まりやすいです。結果的に焦りから早食いになり、症状が悪化する悪循環にも陥りやすいのも呑気症の特徴です。

噛みしめ呑気症候群とは?…少なくない呑気症の方の顎や首肩のトラブル

誰しもストレスのかかる場面で身体に力が入ってしまう経験はあるのではないでしょうか。呑気症の方は無意識のうちに身体を緊張させてしまう傾向がより顕著な印象があります。

大量の空気の吸い込みによって起こる胃腸症状に加えて、呑気の際に歯を強くかみしめてしまうことによって起こる「噛みしめ呑気症候群」と呼ばれる症状が現れることがあります。

噛みしめ呑気症候群は顎に過剰な力と負担がかかることで、下記のような消化器以外の症状を引き起こします。

  • 顎の痛みやだるさ
  • 首肩の凝りや痛み
  • 頭痛や眼痛
  • 歯の摩耗や歯の割れ

消化器症状よりも噛みしめによる症状が強い方は、自分が呑気症を患っていると気付かないままの方も少なくありません。

逆流性食道炎や唾液過多も併発しやすい

呑気症が慢性化してゲップが繰り返されることで胃酸の逆流を誘発し、喉に炎症が起こってしまう逆流性食道炎の原因になってしまうこともあります。

ゲップや吐き気などが刺激となり、唾液過多症に陥るケースもあります。過剰な唾液の分泌は嚥下回数の増加にもつながり、より呑気症を悪化させてしまいます。

一二三堂薬局に呑気症の相談で訪れる多くの方が、呑気症に加えて唾液過多症を併発している印象があります。

呑気症(空気嚥下症)の西洋医学的治療法

呑気症は西洋医学的にその原因が不明確なので、西洋薬による治療法はまだ確立されていません。

その一方で鎮吐薬や消化酵素薬といった消化管機能改善薬を用いるケースが多いです。それらに加えて精神症状が顕著な場合は安定剤の使用も検討されます。

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